昔読んだ漫画に「角砂糖を口に含んでから紅茶を飲む」シーンが出てきて、子供心にとても印象に残った。当然すぐに真似をした。
…角砂糖を口に含んでから紅茶を飲むのよ
角砂糖に紅茶がしみこんでくのを味わいながらね
…イランではみんなこうして飲んでいるのですって
角砂糖に紅茶がしみこんでくのを味わいながらね
…イランではみんなこうして飲んでいるのですって
引用元:北原菜里子「異人館通り」(りぼんマスコットコミックス「聖バンパイア」所収)
試してみたのは、食器棚の奥にあった角砂糖。角砂糖は紅茶が浸みるとすぐにじゃり、と崩れ、口の中はお砂糖だらけになってしまう。甘いものが大好きな子供としてはそれで満足だったのだけれど、子供心に「お砂糖を食べている感」に罪悪感にも似たものを感じ、いつしか真似事も止めてしまった。
先日、塩芳軒さんの和三盆菓子「さざれ石」を食べつつ紅茶を飲み、本を読んでいて―――ふと、この遠い西の国の紅茶の飲み方のことを思い出した。
私はペルシャにお邪魔したことがないので実際に確認できている訳ではないのだけれど、ざっと調べてみると彼の国の人たちが紅茶を飲む際に利用するお砂糖は日本でいうところの角砂糖とは違うものらしい。もっと堅く、口に含んでもそう簡単に溶けてしまうものではないそうだ。氷砂糖みたいなものなのかしらん。読み返してみれば「異人館通り」にも普通の立方体角砂糖ではないことをきちんと示唆する表現があった。
和三盆砂糖菓子に合う紅茶
私は習慣でミルクティに合わせてしまったけれど、これはダージリンなどすっきりしたストレートティにもとてもよく合う。但しあっという間に溶けてしまうので、ペルシャ風の飲み方をきれいに再現するのは難しいが。
紅茶に合うお薦めおやつ
さざれ石(塩芳軒/京都)
JR伊勢丹オンラインストアでも購入可能。
お砂糖菓子。原料は和三盆のみ。口に含むと、あっという間にほどけていく。その粒子の細やかさ。やわらかい甘さと、特有のこくを感じる香りが広がる。紅茶・緑茶好きには特に喜ばれると思う。小箱で軽く、持ち運びにも便利なので京都土産に是非。
お砂糖菓子。原料は和三盆のみ。口に含むと、あっという間にほどけていく。その粒子の細やかさ。やわらかい甘さと、特有のこくを感じる香りが広がる。紅茶・緑茶好きには特に喜ばれると思う。小箱で軽く、持ち運びにも便利なので京都土産に是非。
塩芳軒
イラン(ペルシャ)風の紅茶の飲み方、が登場する漫画
「 聖バンパイア 」(りぼんマスコットコミックス)
株式会社集英社
1990年刊
【 もくじ 】
- 聖バンパイア
- 天使にキッス
- 異人館通り
君知るや、お砂糖の歴史を
「 シュガーロード 砂糖が出島にやってきた 」
長崎新聞社
2002年刊
題名から日本におけるお砂糖の受容史…かと思いきや、
その誕生から鎖国時代の日本、
長崎・出島における輸入に至るまでの
お砂糖をめぐる、長い長い旅を吟ずる一冊だった。
和三盆が四国で作られている理由も、この本を読めばわかる。