別の名前だけど同じものを指す、ということが世の中ままある。例えば私の住む関東ではお汁粉と呼ぶものを、西の方では善哉という(この間、熊本の人とそんな話をした)。 さてPoor Knights of Windsor、判り易く表現するならフレンチトーストの仲間である。
このPoor Knights of Wondsorでは先に白ワインかシングルクリームにパンを浸し、その上に溶いた卵の黄身を付けて、たっぷりのバターで揚げ焼きする。今回はシングルクリーム版(日本では入手できなさそうなので、生クリームと牛乳を混ぜて調達)で。
クリーム(牛乳)と卵を別々にしたままパンに浸す、という点に注目。簡素な料理なのに、手順の指示が結構細かい。
参考にした料理書
「 Porters English Cookery Bible: Ancient And Modern 」
Robson Books
2004年刊
本の内容については「 PORTERS ENGLISH COOKERY BIBLE :
ANCIENT AND MODERN 」レビューでどうぞ。
この本では、パンは2.5cm厚を指示している。これが結構な厚さで、クリームは中心まで浸透しない(浸透させろとも書いてないし、そもそもどの程度の時間浸すのか書かれていないところに欧州のレシピ本らしさを感じる)。
出来上がりは、素朴においしい。パンに厚みがあるので、ふっくらもっちり。 パンは「 CENTRE THE BAKERYの食パンとサンドイッチ 」のレシピで作った自家製角食パンを使用。
何やら料理名が意味深長だけれど、由来について詳しいことは判っていないらしい。Poor Knights of Windsorは14世紀の英国王、エドワードⅢ世が創設した騎士団の名前。 元々26人で構成されていたのだが、エリザベスⅠ世の治世時に半減される。時代は下り19世紀に、Military Knights - 近衛兵と改名されたそう。