ティーインストラクターが考える「おいしい紅茶」と「おいしい珈琲」の淹れ方の根本的な違い

「珈琲になさいますか? それとも紅茶?」
外食時、紅茶と珈琲はひとまとめにされることが多いように思う。ただこの紅茶と珈琲、おいしく淹れるには大きく異なる点が2つあるのだ。

※ 紅茶は茶葉(リーフ)、珈琲は紙フィルタ使用のハンドドリップで淹れた場合を比較

その1:紅茶は100℃、珈琲は概ね75~90℃で淹れるのが正解

まず大切なのは、淹れるお湯の温度。

紅茶の場合は簡単で、薬缶で火にかけ完全に沸騰したお湯を使えばよい。薬缶の口から湯気が立ち始めた頃、ではなく蓋が飛ぶ寸前くらい、5円玉大の泡がボコボコ盛大に立つくらい完全に沸騰させたお湯を使う。

これが珈琲の場合は少し複雑で、沸騰よりもやや低い温度が適温。一旦沸騰させて火を止める。この時点で100℃近いため、このお湯を一旦別の容器に移し冷ました上で使う。紅茶と比べてやや手間はかかるけれど、まあ1、2回お湯を移し替えるくらいはおいしい珈琲のために我慢すべし。

その2:紅茶は最後の1滴、珈琲は最初の抽出液がおいしい

そしてもう1つの違いは「おいしい」紅茶/珈琲の抽出タイミング。

紅茶の場合、急須/ポットから注ぐ最後の1滴は「ベストドロップ」や「ゴールデンドロップ」と呼ばれ、特においしいとされているもの。苦い/渋いかも、と敬遠せず最後の1滴まできっちり急須から注ぎ入れよう。

これに対し珈琲は30秒程度の蒸らしの後、最初の方で抽出される部分がおいしいとされている。珈琲の専門家によっては、最後の1滴まで淹れてはいけないという人もいるくらいだ。

何となく同じように取り扱われがちな紅茶と珈琲、ご自宅で淹れる際には上記2点について考慮されたし。

  紅茶 珈琲
淹れるお湯の
最適温度
100℃ 75℃~90℃
おいしい1滴の
抽出タイミング
急須/ポットの最後の1滴 淹れ始め